2012年01月18日

超怒級怒涛重低爆音

幼子の声からなんかピコピコした機械音。

プログラムされたリズムに乗れると思ったら、
暴発したように歪んだギターが鳴る。

低音域で凄まれる歌は無慈悲で不快。

ここまではデスメタルの亜種かな、と思うのですが、
サビには驚くほど清涼感のある爽快なメロディが解き放たれる。

スティーヴ・ヴァイのバンドから世に出て以来、
様々なスタイルでアルバムを作成しているデヴィン・タウンゼンド。

そのデヴィン・タウンゼンドの数多いプロジェクトの中で、
最もアグレッシヴ、最も壮絶、最もヘドバンなバンド、
ストラッピング・ヤング・ラッド。


ツッコミたくなるけど言い得て妙なアルバムタイトルは
超怒級怒涛重低爆音。

それは圧巻の音楽性は怒涛のノイズにメロディを溶け込ませた、
ヘヴィメタルを超えたヘヴィメタル。

最も耳に痛いものと最も耳に心地よいものの融合です。


台風に耳を傾けてみると、実は美しいメロディが流れていた、
そしてその台風もメロディも自分で作っている、
という感じを想像していただけるとわかりやすいでしょうか。
『似た』 バンドすら聴いたことがありませんね。


デヴィン・タウンゼンド、まさしく鬼才。

天晴れです。


  
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2012年01月04日

マジック・アンド・メイヘム

精密かつ高密度の音楽性に、神話の空気をまとう。

孤高の壮厳さでメロディック・デスの黎明期から第一線を張り続ける、
欧州屈指のブルータル・バンド、アモルフィス。


本国フィンランドではゴールドディスクを獲得する程のバンドなので、
お母さんがちょっと夕飯の買い物に・・・なんて時に
カーステレオからアモルフィスを流していたり、
パリッとキメたビジネスマンが通勤電車でアモルフィス聴いていたり、
学校の授業で 『今日はアモルフィスの曲を合唱です』 みたいな感じなのでしょうか。

フィンランドいいなぁ。


括りとしてはデスメタルとされますが、奥の深さはその範疇ではなく、
実際にはデス声を使う迫力ある正統派メロディック・ヘヴィメタルであり、
正しい言い回しかどうかは微妙ですが、『聴きやすい』。

さらにフィンランドの民族音楽を取り入れて高次元で融合させる大技も見事。

世界でもなかなか類を見ない、 『慟哭の神秘的暴虐』 を誇るバンドですね。
(なんだそりゃ)


このアルバム 『マジック・アンド・メイヘム』 は、
バンドの長い歴史の中で初期にあたる時代の代表曲を再レコーディングした企画版。
いわば新ラインナップによる初期ベストという豪華な1枚。

収録曲はオリジナルの持つ破壊力を損なうことなく、
ヴェテランならではの貫禄ある安定感とクリアな音になっており、
素晴らしいバンドであることを再認識できます。


なかでも圧巻は欧州屈指のラウド・シンガーのトミ・ヨーツセン。

この男が放つ絶唱は、低音域の声で表現することの出来る最大値でしょう。


バートン・C・ベルやデヴィン・タウンゼンドが好きならこの人も好きなはず。

何かを表現する手法を 『芸術』 といいますが、
鍛え上げた声もまた、ひとつの芸術ですよね。


  
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2011年12月30日

テディ

テディ・ペンダーグラス。


フィラデルフィア発のソウル・ミュージックを
通称フィリー・ソウルというのですが、
そのフィリー・ソウルの伝説のアーティストです。


それにしても、マーヴィン・ゲイやジェームス・ブラウンを例にあげるまでもなく、
ソウル・シンガーは誰もが凄まじくセクシーでゾクゾクする声を発しますね。


『霊長類ヒト科を代表して、俺は濃いぜ』
みたいな主張を感じるジャケット写真には何の異論もなく、
装飾のない野生のフェロモン垂れ流しっぷりに脱帽です。


アップテンポの激しい曲も、柔らかなバラードも、
持ち前の濃さを出しながら深みのある歌いこなし。

本当に素晴らしいシンガーですね。

クセになる曲調はどこか懐かしく、
昭和の歌謡曲の趣がこういったところから来ていることがうかがえます。


テディ・ペンダーグラスの曲の中では日本で最も有名であろう
『ドゥーミー』 はこのアルバムの6曲め。

『ヒゲダンスの曲』 と言ったほうがわかりやすいですね。


どんなにハスキーに歌っても割れない声。

カッコいいですねぇ。


  
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2011年12月02日

エッヂ・オブ・インサニティ

トニー・マカパイン。


ピアノ、ヴァイオリン、ギターをはじめ
あらゆる楽器を壮絶に弾きこなすうえ、
驚異的な作曲能力を持ち合わせるという、
文字通りグレイト・ミュージシャンです。


あらゆるアーティストとのスタジオワークや
スティーヴ・ヴァイなどのライヴのサポートをこなしながら
ハイペースでソロアルバムを作り続けていくそのアイデンティティは、
『褐色のイングヴェイ』 という異名すら物足りなく感じます。


そんな最強のミュージシャンが世に出た最初のアルバムがコチラ、
『エッヂ・オブ・インサニティ』 。

ちなみに全曲インストです。


ベースにビリー・シーン(しかしどこにでも顔を出すねこの人)、
ドラムにスティーヴ・スミスという布陣から想像できるように、
緊張感バリバリのスリリングな曲ばかり。

ヴォーカルがないかわりに、しっかり楽器が歌います。


前述のイングヴェイ的フレーズ
『とぅるらりりりらり、で1秒』
も確かに随所にありますが、
実はザック・ワイルドのような
『どぅくどぅくばらばば、で1秒』
という力ワザもシッカリと顔を見せており、
それらも含めてトニー・マカパイン節。

『カッコいいハードロック・ギター』

をお腹いっぱいに堪能することができます。

まさにロック・インストの金字塔。

凄いですねぇ。


  
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2011年11月12日

シャイン・オン

20世紀最高の発明といわれるロックンロール。


なぜロックンロールが素晴らしいかというと、
歴史を軽んじることなく、正しい継承者が常に存在しながら、
それでいて進化を続けているからではないでしょうか。


たとえば 『モダン』 と評されるロックンロールバンドも
ビートルズの影響なしには存在しないでしょうし、
ジミ・ヘンドリクス抜きにロック・ギターの歴史が語られることはありません。

ブラック・サバスを否定してヘヴィメタルはできないし、
ヴェノムがなければスレイヤーもいない。


もちろん、クラシックやジャズから派生していることを考えると、
深追いすれば手拍子や草笛と、人類の起源までいくのでしょうが、
そんな歴史を紐解いていくような楽しみもまた、オツなものですね。


まぁとにかく、人によって解釈は違えど
『古き良き』がなければ現在の『良い』の基準もないワケです。


さて、そんなこんなで若くしてレトロなオーストラリアン、
JETのセカンド・アルバムです。


一言でいえば、
『良いバンドの良いアルバム』
ですね。


デビューアルバムにおいて『懐古主義』 とも揶揄された
ストレートなロックンロールはもちろん健在。

さらに押し引きを組み込んだ曲展開は、いい意味での進化ですね。

単なる爆走ロックンロールで終わらないのは、
タメを充分に利かせたアレンジの妙。

ジャンルは違いますが、
メタリカの得意とする空間の作り方に似てますね。


すでに貫禄すら感じるこの雰囲気。

好きですねぇ。


  
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2011年11月06日

ミニー・リパートン

音楽史の一角。

5オクターブの声を持つシンガー、
ミニー・リパートンです。


60年代にグループやバンドでキャリアを積み、
ジャズ、ロック、フュージョン、ポップスと
多岐にわたり魅力を発揮するスッゴい女性なんですね。


長い下積みからソロデビューし、
これから、という時に乳ガンで片方の乳房を切除する苦節、
それを公表して運動を広め、大統領から表彰を受けるも
ガンが転移して31歳で生涯を閉じますが、

『わたしはハッピーな人間だからブルースは歌わない』

と常に前向きに生きた、あまりにも素晴らしい人格者。


才能に惚れ込んだスティービー・ワンダーが
全面プロデュースをしたことからも、
いかに優れたミュージシャンであったかが伺いしれるってもんです。


『ららららら・ららららら・ららららら〜ら・ら・ら・ら・らぁ』

で有名な 『ラヴィン・ユー』 は世界中でカヴァーされていますが、
もともとはこのミニー・リパートンがオリジナル。

子供を寝かしつけるときにかけていた曲だそうです。

そう知ってから聴くと、たしかに誰のどんなバージョンよりも
『音が少ない』 。

声とメロディの美しさが際立つ名アレンジですね。


人類が生存する限り、聴かれ続ける曲でしょう。


  
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2011年10月31日

パープル・クロニクル

ディープ・パープル 『紫のハコ』。

『ハコ』 は何かよくわからないけど、
変換できない漢字だった。


この25周年を記念して編集された3枚組は
1枚め2枚めはベスト、3枚めはなかなかレアな
各曲のシングルバージョンとかを収録した企画盤。

まぁ90年代に25周年だから今ではもう凄まじい経歴ですけど。

ディープ・パープルはやたらベスト盤が多いバンドですが、
第1期〜第4期にかけて代表曲が集中しているので、
それらがほぼコンプリートされているという意味で、
個人的には最も手軽、かつモレが少ないと思っています。


しかも年代順に収録されているので、
クラシックの要素を取り入れたロックから
アグレッシブなハードロックへと変化していく流れも断片的にわかりますね。


しかしこう聴いていくと、
第2期のイアン・ギランと第3期のデヴィット・カヴァーデイルの
インパクトが強いので過小評価されがちですが、
第1期シンガーのロッド・エヴァンスも相当の使い手です。

深みのある、非常にカッコいい声の素晴らしいシンガーですね。


確かに 『スピード・キング』 や 『バーン』 を歌う想像はできませんが、
『ハッシュ』 『アンセム』 は最高にハマっています。

ジョン・ロードとの相性がいいんでしょう。


そして、いつの時代も素晴らしいのがドラムのイアン・ペイス。

手数が多く、スイング感があってパワフルなドラムは、
バンドの音を唯一無二のものに仕上げています。

間違いなく世界最高峰のミュージシャンのひとり。


常に仲違いをしていて解雇と脱退が度重なっていた時代、
妥協をせずエゴを出すからこその緊張感。

型にはまったカラオケ的なものとは全く異なるライヴ感。

いち時代を築いたバンドの、片鱗を確認するにはもってこいです。


  
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2011年10月01日

ホーセス

『ホーセス』。


70年代、ニューヨーク・パンクの女王、
パティ・スミスのデビューアルバムです。


とはいえ、このアルバムで聴ける音楽は
『パンク』 という言葉から連想されるものではないと思います。


パンクというと、
時代によってはメロコアやポップロック風であったり、
90年代に遡ってはグランジやオルタナであったり、
さらに遡ってはハードコアであったり、
あるいはニューウェーブであったりします。


ではパティ・スミスがどこに属するかというと
上記のジャンルには該当がない。

単純に音で分類するのであれば、『ロック』 でしょう。

ジャニス・ジョプリンやドアーズのような、
ブルージーでかつ鍵盤が印象的な、
空間のあるロックンロール。

ならず者がバンドを組んだだけでは到底たどり着けない、
緊張感のある美しい音楽的芸術です。


それでもパティ・スミスが
『パンクの女王』 と称されて違和感を感じないのは、
歌詞と声、それに生き様からくる印象でしょう。


世の中の流れよりも、自分の体を巡る血の流れを信じて、
『表現者』 として生きる。

実際にバンドのアンサンブルは
演奏の上に歌がのっている、というよりは
『朗読と演奏』 に近いものがあります。

それがバンドの音として成り立っているのは、
まさにアーティストとしての力量。

ジャケットの雰囲気そのものの、ある種の寂しさ、
クールさ、退廃的な雰囲気すら感じる中にある、
凄まじい熱量。


それは確かに、パンクのもの。


さすが女王。
さすが名盤。


  
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2011年09月06日

ザ・フレディ・マーキュリー・アルバム

ロック史に燦然と輝くバンド、クイーンのシンガーであり、
人類史上屈指のエンターテイナー。


説明不要のフレディ・マーキュリーです。


こちらの『ザ・フレディ・マーキュリー・アルバム』は、
ソロ活動における代表曲を集めた決定版。


それにしても、なんて潔いアルバムタイトルなんでしょう。

このタイトルを聞いて、
『おっ、エルヴィス・プレスリーか』
と思う人はいないですよね。


とはいえタイトルの示す意味としては

『あの〜、すみません。これはフレディ・マーキュリーのアルバムなんですけど』

という気弱な郵便配達員みたいなものではなく、

『聴けこのヤロー。これがフレディ・マーキュリーの音楽だ』
というレスラーじみたニュアンスを感じます。

(レスラーじみた、という日本語があるのかは知りませんが)


しかし突き抜けた人というのは、本当に凄いものを作ります。

クイーン自体、もともとロックの範疇には入りきらないバンドですが、
ソロでは輪をかけて孤高の芸術家ですね。


時に細く、時に力強く、
奔放にして豪快、そして繊細。表現者としての究極です。

マイケル・ジャクソンのオーラと同じ異次元のレベルですね。


モンセラート・カバリエと共演した生命を讃える名曲
『バルセロナ』 はまさに圧巻。

知っておかないと損する曲です。


  
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2011年08月23日

ディファレント・ギア、スティル・スピーディング

ビーディ・アイ。


オアシスが暴発するように解散した後、
リアム・ギャラガーがサクサクっと立ち上げた新バンドです。

『ギアを入れ替えてさらに突っ走っていく』
というアルバムタイトルは、まさしくバンドの決意。


失ったものを嘆くよりも、
新バンドへの喜びを強要されるような、
見事なモチベーションですね。


いやはやしかし、それにしても。
いい感じですよ。


余計な装飾を削ぎ落とした音作りは、まさに60年代。

アルバムを通して聴き慣れたリアムの声が力強く、
ギミックなし、シンプルでストレート。
良いメロディに良い歌詞がついた良い曲のオンパレードです。


『ブリング・ザ・ライト』における
リトル・リチャードよろしく鍵盤の連打は
まさに王道、クラシック・ロックですし、

『ビートルズ・アンド・ストーンズ』で歌われる

とにかくロックンロールしたい
時の試練に耐えてやる
ビートルズやストーンズのように

というフレーズなんて、
誇りと自信、憧れと敬意を感じて最高じゃないですか。

そして天晴れなのは『ザ・ローラー』。

『ジョン・レノンのようだ』

という言葉を最大級の讃辞として送りたくなります。



現代版クラシック・ロックとでもいいますか、
いやはやしかし、それにしても。

良いですね。



  
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2011年08月10日

ヒア・カムズ・ザ・ブライズ

80年代アメリカン・ハードロックの象徴、
モトリー・クルー。


そのモトリー・クルーのブレインであり、リーダーであり、
誰もが認める 『悪の華』といえば、
我らがニッキー・シックス。


『華麗なる激情』でのモトリー・クルーのデビューは
毒々しく初々しいバッド・ボーイ・ロックンロール。

そこからキャリアを重ねるたびに進化を続け、
男気溢れるパワフルなハードロックへと移行する。


つまり、LAメタルを体現し、牽引した張本人でありながら、
LAメタルに終止符を打った張本人でもあります。


そんなニッキー・シックスが、これまたLAメタルの雄、
トレイシー・ガンズと新たに組んだバンドがこちら。

ブライズ・オブ・ディストラクションですね。


堅苦しい雰囲気ではなく、
手を抜いているわけではなく、
良いハードロックを
良い感じで
良いメンバーでやろう、
というスタンスで取り組んだ、
シンプルかつパワフルなバンドです。


現代のハードロックでありながらノスタルジック。
ほのかにLAメタルが香り立つ、
アメリカン・ハードロック焙煎の上モノです。


  
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2011年07月24日

エンブレイス・ザ・ミステリー

有人飛行といえばライト兄弟。

そのライト兄弟に匹敵する、世界を変えた兄弟シリーズ。


ロックンロール界ではアンガスとマルコムのヤング兄弟。

ハードロック界ではエディとアレックスのヴァン・ヘイレン兄弟。

マイケルとルドルフのシェンカー兄弟。

ヘヴィメタル界ではダレルとヴィニーのアボット兄弟。


となると当然、デスメタル界では
マイケルとクリストファーのアモット兄弟ですよね。


カーカスでマイケル・アモットが世に出たのを皮切りに、
美しき暴虐のバンド、アーク・エネミーで
戦慄のメロディを世界中に解き放っている無敵の兄弟です。


このバンド 『アルマゲドン』 は、
弟・クリストファー・アモットのサイド・プロジェクト。

2枚目の今作はいわゆるデス声のデスメタルではなく、
正統派ハードロック、ヘヴィメタル・バンドとしての登場です。

これが凄い。

当然ながら、ぬるくなるワケがない。


持ち前のデスメタルのアグレッションはそのままに、
緻密ながら聴きやすい硬質のリフ・ワーク。

激しく展開するアレンジは複雑さを感じるものの、
メロディが整っているので流れが良いのです。


そして要所要所に挿入されるギター・フレーズは
イングヴェイのように舞い、
ウリ・ロートのように刺し、
マイケル・シェンカーのように紡ぐ。


デスメタル界の貴公子、
本気です。


  
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2011年07月01日

コズミック・ブルースを歌う

あたたかく柔らかい風が吹く、桜の季節。

『コズミック・ブルースを聴きたい』
という気持ちになることもありますよね。


焼けた砂の上ではしゃぐ子供達を眺める、海の季節。

これまた『コズミック・ブルースを聴きたい』
という気持ちになることもあるわけで。


自然が色彩豊かに存在感を演出しはじめる、紅葉の季節。

これまた『コズミック・ブルースを聴きたい』
という気持ちになることもあるのでは。


凛とした空気と静寂が幸せを蓄える雪の季節。

これはもう『コズミック・ブルースを聴きたい』
という気持ちにならざるを得ないでしょう。


ヒッピー文化が席巻する時代の寵児であり、
その時代の最大の被害者でもある最高のシンガー、
ジャニス・ジョプリン。


商業的成功よりも、歌を歌う環境があることを喜びとしていた自身が、
一流のミュージシャンに囲まれてアルバムを作成することを
幸福と感じていたのかは知る由もありません。

しかし、彼女が存在した事実はロック史にとって幸福なことです。


失礼ながら、アイドル性ゼロ。
可愛さ、可憐さではなく、
威厳ある歌声。


『伝説のロック・クイーン』
の称号はダテじゃない。

まさに圧倒的です。


『コズミック・ブルースを聴きたい』
と思おうが思うまいが、聴いておけばいい。


  
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2011年06月19日

ライヴ&ラウド

アルバム 『ノー・モア・ティアーズ』 に伴うツアーで、
帝王はツアー生活からの引退を表明。


その記念となる2枚組ライヴ・アルバム、
『ライヴ&ラウド』。


ブラック・サバス時代と
オジー・オズボーンとしての代表曲を網羅した、
ライヴ・ベストです。


バンドメンバーが素晴らしく、
ギターにザック・ワイルド、
ベースにマイク・アイネス、
ドラムにランディ・カスティロ
という、それぞれが各方面に活躍している、
知る人には堪らない顔触れ。


さらにはオリジナルメンバーによるブラック・サバスの復活・・・

引退に華を添える、美しいライヴです。

キャリアを総括する選曲を奏でる演奏のパワフルさ、キレの良さ。
メンバー全員の全盛期と思える最高で最強のライヴですね。



結論を言いますと、帝王は結局カムバックして、
21世紀を10年過ごして未だ現役。

しかも悪の化身として扱われていた人物が、
お茶の間の人気者になるというオマケ付き。


ここまで極端に非難され、愛され、太く長い人生を歩む人も珍しい。


つまり、『ナンデモアリ』 な人なんですよ。


  
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2011年06月08日

チープ・スリル

ジャニス・ジョプリン。


このアルバムでは、正確には
『ビッグ・ブラザー・アンド・ホールディング・カンパニー』
というバンド名ですね。


このライヴ録音というラフな作りのアルバムで
ジャニス・ジョプリンが世に出ました。
そして全米ナンバーワン。


時代にマッチしたことや
バンドの不思議なグルーヴもさることながら、
やはり肝となるのはヴォーカル。


ただ 『歌がうまい』 というだけだったら、
ジャニスの上をいくシンガーはいるでしょう。

しかし、命を削って絞り出される声は、誰も真似できません。

まさに魂の叫び。

今日に到るまで、優れた女性ロック・シンガーは何人も出てきていますが、
誰ひとりとして到達できない次元の、圧倒的な存在感です。



精神が病んでいく破天荒な人生の中、
歌うことだけが救いだったのでしょう。


希望と絶望の間で混濁したまま閃光がほとばしるように生き、
伝説へと昇華されました。


  
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2011年05月23日

ダート

華と毒と妖艶の80年代の反動か、
明るくない音楽の嵐が吹き荒れた90年代アメリカ。

ニルヴァーナを筆頭にパール・ジャム、サウンドガーデンなど
グランジ、オルタナ系のムーブメントが隆盛を極める中、
チャートアクションでもずば抜けてカルト的人気を誇ったのが
アリス・イン・チェインズ。


デビュー間もなく、メガデスやヴァン・ヘイレン、
スレイヤー、アンスラックスなどに同行しているので
ハードロック・ファンやコアなヘヴィ・メタル・ファンに
一気に浸透したことが人気に拍車をかけましたね。

音楽的にも一概にオルタナ系ではないようなところに位置するのですが、
時代背景でオルタナに括られてるような感じです。



このバンドは、一言でいうと
『とても重い』。


デスメタルやグラインドコアのような聴覚へ訴える重さではなく、
往年のブラック・サバスが持っている精神にくる重さです。


ツボを抑えた巧みなソングライティング、
効果的なエフェクト、
面長にならない曲作り、
パーカッシブなリズム。


中でもシンガー、レイン・ステイリーの絶妙な声のトーンは
帝王オジー・オズボーンを彷彿させる呪術的な響きですね。

歌詞も病的なところがあり、陶酔するような危険性を孕んでいます。


なかなか、癖になりますね。



  
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2011年04月20日

ゲット・ボーン

オーストラリアの大地は、最高のロックンロールバンド
AC/DCを生み、世界中に素晴らしい後継者を作り上げました。


そして21世紀。

同じ大地から飛び出したロックンロールぶちかましバンド

「JET」。


シンプルでキャッチーでありながら硬派な楽曲と、
エネルギッシュなライヴ、世界中のフェスティバル、
はたまたCMなどとのコラボで名を上げ、一気にブレイクした
正統派ロックンロール・バンドです。

デビュー・アルバムとなる今作は、各方面でお馴染みの
『アー・ユー・ゴナ・ビー・マイ・ガール』をはじめ、
天真爛漫ゴキゲン爽快レッツゴーイングマイウェイ的大合唱ソングが
コレデモカコレデモカと叩き込まれます。


そしてこりゃオモシレ〜・・・と思ってると、
不意を突いてのピアノ・バラード。

これがまた清涼感があって、それでいて女々しくない仕上がり。
技アリの展開ですね。


無骨で不器用な感じでも、それがかえってオシャレな雰囲気になる、
珍しいケースですがそれがまた良い。


正しく意志を継ぐ者が絶えないからこそ、
ロックンロールは不滅なのです。


  
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2011年04月08日

ラスト・アクション・ヒーロー

1993年の娯楽大作映画、
『ラスト・アクション・ヒーロー』
のサントラ。


シュワルツェネッガーの映画はハードロックのイメージですが、
このアルバムはまさに
『最強のハードロック・オムニバス』
といえる豪華ラインナップ。


AC/DC、エアロスミス、アンスラックス、
メガデス、デフ・レパード、クイーンズライチ・・・etc.

当時の新旧ハードロックバンドの代表格が
レーベルを超えて見事に揃い踏みです。

しかも各アーティストのオリジナルアルバムに入っていない曲や
新曲、未発表曲、書き下ろし曲が目白押しと、
ヨダレ垂れまくり、ヨダレ拭きまくりの企画となっております。


ちなみにこのタイプのサントラは、
アーティストの見本市的な感じで聴くと便利ですね。


個人的には重鎮スラッシャー、アンスラックスによる
『ポイズン・マイ・アイズ』
がかなり好きですね。

硬質な音の塊をマシンガンのように放つサウンドに
挑発するトーンでヴォーカルをはさんでいくタテノリの秀曲です。


まぁそれだと余りにもアレなんで、大衆向けに特筆したいのが
エアロスミスの『ドリーム・オン』。


最高に粋で最高にドラマチックで最高に素敵な、
オーケストラとの共演ライヴのバージョンを収録。

スティーヴン・タイラーの息遣いまで聞こえます。

シビれますよねぇ。



  
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2011年03月24日

イート・エム・アンド・スマイル

世界で最も(唯一かも)極彩色が似合うシンガー、
ダイヤモンド・デイヴこと
デヴィッド・リー・ロス。


こちら 『イート・エム・アンド・スマイル』 は
世界一のハードロック・バンドである
ヴァン・ヘイレンを脱退したのち、
ギターにスティーヴ・ヴァイを、
ベースにビリー・シーンを、
ドラムにグレッグ・ビソネットを擁しての
ソロ・デビュー・アルバム。

これはホントに超・名盤です。


メンバーを聞けば想像が出来る通り、
異次元のテクニックとアティテュードを持つ超人達による、
マニア垂涎の内容でありながらコマーシャルという奇跡の内容。


全10曲、足掛け30分という短さでありながらも、
圧倒的にボリュームを感じる濃密さ。

これは間違いなく、この4人だからこそ出来ることでしょう。

実際に、スティーヴ・ヴァイにとっても、
ビリー・シーンにとっても、
『代表作』 と言っていいくらいの貢献度の高さですね。


『シャイボーイ』 『エレファント・ガン』
における超絶技巧バトルは聴いててニヤニヤすることうけあい。

それを支えるドラムも、負けないヴォーカルも凄い。

それでいて、聴きやすさも抜群のバランス。

間違いなく、アメリカン・ハードロックの最終形のひとつです。


カヴァー曲のセンスもアレンジもこれまた最高で、
自分達のフィルターを通して完全に持ち曲にする仕上がり。


とにかくギラギラと輝く至極のロックンロール。


悲しみも苦しみも、切なさも儚さも、全部を抱えたうえでぶっ飛ばしてくれる、
底抜けに明るくトコトン能天気な 『陽』 のハードロックです。

どんな時代でも、
こーゆーのは必要になりますね。


  
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2011年03月22日

ザ・マインド・イズ・ア・テリブル・シング・トゥ・テイスト

今となっては当然のように語られる、
インダストリアルというジャンル。


その歴史を紐解いていくと必ずたどり着くのはこのアルバム、
『ザ・マインド・イズ・ア・テリブル・シング・トゥ・テイスト』です。


インダストリアルという言葉が知られていない時代に、
冷徹なディスコ・ビート、ダンス・ビートに
ヘヴィ・メタルさながらのハードなギターを絡め、
破壊力と煽動力を爆発的に増幅させた傑作。

佳曲『バーニング・インサイド』
をはじめ、破壊的衝動を呼び起こす一連の楽曲は
あっという間に世界を席巻しました。

発信源はアメリカ、シカゴの鬼才、
アル・ジュールゲンセン、すなわちミニストリー。


ヘヴィ・ミュージックの構図を具体的に変えたアーティスト
です。


貴金属の不協和音と機械処理された声は不安を煽り、
サンプリングと生演奏が複雑に組み合わさっていますが、
実のところ根幹にあるのは、
ストレートに突っ走ったパンク・ロック。

とはいえピストルズのようなクラシック・パンクでもないし、
グリーン・デイのようなモダン・パンクでもなく、
ディスチャージのような、ハードコア・パンク。


そりゃ破壊力もあるわなぁ。


  
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