ア・サウザンド・サンズ

グレイトさん

2011年02月21日 23:10

パッと聴いてすぐに感じられるでしょう。

通算4枚めのオリジナルアルバムで、
リンキン・パークは別の次元へ。

BGMのように自然と耳に入りやすくも緊張感があり、
メロディを重視しつつ、激しさも忘れず聴き応えがある。

初期にみられるようなゴリゴリ感は息を潜めていながら、
必要な部分では徹底的にエッジを立てる。

引くべき所でしっかり引いているからこそ、
アグレッシヴに転じたときの衝撃も凄い。

見事、の一言です。


歌ものになった、といえるこの音楽的な変遷は、
変態ゴッタ煮ロックと言われるところから、
圧倒的なミュージシャンシップで音楽性を高めて世界を席巻し、
近代最強のロックバンドとして君臨している
レッド・ホット・チリ・ペッパーズや、

耳に直接入ってくる音では様々な変化をしつつも、
芯となる部分は一切ブレることなく時代を凌駕したU2、

スラッシュメタルの元祖でありながら、
確信犯的にスピードを落として支持層を圧倒的に拡大し、
シンフォニーとの共演などの前衛的な試みまで飲み込んで
まさしく重鎮モンスターバンドとなったメタリカなど、

いわゆる「大御所」と似た流れを感じます。


ドラムはこれまで以上にパーカッシブになり、
原始的なリズムで体を揺さぶりにかかる。

東洋の旋律を吸収した鍵盤は、妖艶さも併せ持つ幻想的な響き。
切っ先鋭い弦楽器は、音が少ないからこそより耳に残る。

唯一無二の慟哭のヴォーカルは
緩急をくり返すがゆえに聞き手に安息を与えず、
更なる緊張感で追い討ちをかける。

バンドとしての総合力で、アルバムの世界に引きずり込む
最高のパフォーマンス。


褒めすぎですか?

いや、楽曲のクオリティが物語っていますよ。

ねえ。

「本物だ」 と。