シャイン・オン
20世紀最高の発明といわれるロックンロール。
なぜロックンロールが素晴らしいかというと、
歴史を軽んじることなく、正しい継承者が常に存在しながら、
それでいて進化を続けているからではないでしょうか。
たとえば 『モダン』 と評されるロックンロールバンドも
ビートルズの影響なしには存在しないでしょうし、
ジミ・ヘンドリクス抜きにロック・ギターの歴史が語られることはありません。
ブラック・サバスを否定してヘヴィメタルはできないし、
ヴェノムがなければスレイヤーもいない。
もちろん、クラシックやジャズから派生していることを考えると、
深追いすれば手拍子や草笛と、人類の起源までいくのでしょうが、
そんな歴史を紐解いていくような楽しみもまた、オツなものですね。
まぁとにかく、人によって解釈は違えど
『古き良き』がなければ現在の『良い』の基準もないワケです。
さて、そんなこんなで若くしてレトロなオーストラリアン、
JETのセカンド・アルバムです。
一言でいえば、
『良いバンドの良いアルバム』
ですね。
デビューアルバムにおいて『懐古主義』 とも揶揄された
ストレートなロックンロールはもちろん健在。
さらに押し引きを組み込んだ曲展開は、いい意味での進化ですね。
単なる爆走ロックンロールで終わらないのは、
タメを充分に利かせたアレンジの妙。
ジャンルは違いますが、
メタリカの得意とする空間の作り方に似てますね。
すでに貫禄すら感じるこの雰囲気。
好きですねぇ。